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オリジナルSS「藤沢珈琲&ラビッツ」

久しぶりにオリジナル百合SSを書きました。なんというか、唐突に筆がのったというか、江ノ島にかれこれ4ヶ月行ってないので禁断症状が出始めたのか・・・そういうわけですはい。
※最後に行ったのは2015年元旦
あともうしばらくは難しそうです。桜の時期に行きたかった・・・、次は紫陽花撮影だ。

簡単すぎるキャラ紹介。


 多趣味なメガネっこ。写真撮影、漫画の読み書き、読書(なんでも)、最近追加された麻雀好き設定、部活は演劇と放送をかねてるし、週3ぐらいでファミレスのバイトをしてる活動意欲にあふれてる女の子。
 
かおり
 世話焼きで舞のことが気になる――っていうか恋人――女の子。舞と同じ演劇部。
 舞と違ってそこまで活発ではないけどコーヒーが好きで喫茶店や缶コーヒーに詳しい。

 二人の設定はこれだけ。あとはその場その場で追加したり増えたりします。


 昼下がりの藤沢。天気は曇り。行き交うおじさんおばさんを避けながら今日も舞とお買い物だ。と言っても洒落たものではなく、漫画を買いに来ただけ。洋服とかそういうのは鎌倉のほうがいいものが見つかる。
 鎌倉にも本屋さんはあるんだけど、舞はアニメイトに行きたがるので藤沢だ。あたしが買うのは『ジョジョリオン』とか『銀の匙』みたいなどこにでもおいてありそうなメジャーな漫画だから舞のポイントカードの肥やしにしてあげちゃった。
「今日は何を買いに来たの?」
「こころぴょんぴょんするグッズだよ、かおりちゃん」
 また訳のわからないことを……。ウキウキ手をつないでスキップする舞に追い付くためにちょっと早歩き気味だったのを思い出す。
 その上、いつもは喫茶店に入ってもジュースとか紅茶を頼む舞が私と同じ珈琲を頼んだ。さすがにブラックじゃなくてミルクを2つも入れてたけど、今度は何がきっかけで珈琲に興味をもったのか。
 あたしたちはお互いの趣味についてよく理解がある。あたしが『PSO2』やったり、『ラブライブ』知ってたりするのはほとんど舞のおかげである。舞より知識が深いのは『ひぐらしのなく頃に』くらいで、この歳にして普通の人ならドン引きするほどのオタクだ。メガネで黒髪の三つ編みという典型的なパターンも入ってる。
 一方舞はあたしの趣味にほとんど影響を受けない。『モンハン』だってあたしだけやってたし、この珈琲だって今まで一緒に同じものを飲んだことはない。
 上機嫌でホット珈琲にミルクを入れる舞を見ながらあたしもカップに口をつける。
 藤沢で珈琲といえばだいたいあたしはここにしている。江ノ電の改札の向かい、おみやげ屋と並ぶ『江ノ電の珈琲屋さん』 珈琲以外にもパンも好評で地元民からはとても愛されてるお店だ。若干狭さを感じるかもしれないけど、そこまで混んでいるのを見たことがないし、やっぱり江ノ電の改札前ということもあって電車のギリギリまでよくここで珈琲を飲んでたりもする。
「ねえ、『カフェ・ド・マンシー』ってできる?」
「よくそんな言葉知ってるわね」
「すごいでしょ」
 自慢するところ?
 カフェ・ド・マンシーっていうのは簡単に言うと『珈琲占い』飲み終わった珈琲カップをソーサーの上でひっくり返して、その後にカップに出来た珈琲の模様や方向で運勢を占うというもの。スタバとか上島珈琲じゃカップじゃなかったりするし、そもそもこの珈琲占いというものがメジャーではないのであたしの知り合いでこの単語が出た相手はあやねだけだった。あやねはタンブラーでやろうとしてたけど。
「一応知っているけど、あたしは占いとか信じないから一回やったきりね」
「じゃあじゃあできるの?」
 目を輝かせながら問いかける舞にちょっとどきりとする。
 さっきも言ったように舞はあたしの趣味にあまり関わったことはない。それだけによく付き合ってるなぁと思うときもある。思いもかけない舞の興味にさすがのあたしも心を揺さぶられる。
「できないことは、ないけど」
「じゃあじゃあ飲み終わったらやってやって~」
「し、仕方ないわね。当たらなくても文句言わないでよ」
「やったー。かおりちゃんツンデレ優しい~」
「ツンデレじゃないわよツンデレじゃ」
 珈琲に詳しくなれば関係したいろんなことに興味をもつのは当然で、その一つとしてこの珈琲占いも少し調べたことがある。もちろん自分で実際にやってみて、本当に当たるかどうか毎朝試した。結果はさっき言ったとおり、占いを信じられるようにはならなかった。毎朝やってるニュース番組の今日の占いレベルの信ぴょう性ってこと。
 舞は超常現象とかオカルトじみたことを結構信じる子だけど、占いとかの話はしたことがなかったかな。毎年の初詣でもおみくじは引かないし、神社に行ってお参りはしてもご利益とか気にしてないみたいだし。
 今回の珈琲にしてもこの占いにしても一体どういう風の吹き回しだろう。多分、また新しいアニメとか漫画とかにハマってそのキャラクターが珈琲好きだったり、珈琲占いをしてたりした、とかって落ちなんだろうけど。
 それと今日買った大きな袋。あたしが『ジョジョリオン』の新刊とお金を渡してから、お手洗いに行ってる間に会計を済ませてたから何を買ったのかよく見てない。本とかじゃない。フィギュア? ぬいぐるみ?
「ねえ、今日買ったその袋。やけに大きいけど」
「これ? 気になる~?」
 このよくぞ聞いてくれましたって顔。後輩のそらが『エヴァンゲリオン』のグッズを見せびらかす時と同じ表情。
「はいまずこれ」
「ありがと」
 と先にあたしの漫画を出してきたのでそれを受け取る。あたしとしては舞の買った大きなものよりも、この仗助の正体のほうが気になるんだけど。
「じゃーん」
 舞が袋から出したのはバレーボールくらいの大きさのぬいぐるみ。白くてふさふさの……なんだこれ。
「アンゴラウサギのティッピーだよ」
「こんなうさぎいるの?」
「私も最初いるわけないでしょって思ってたけど、ところがどっこい。グーグルで画像検索してみてよ」
 そう言われてケータイを出して早速グーグル先生に聞いてみる。すると、舞の持ってるぬいぐるみほどではないにしても、丸くてもこもこしたうさぎの写真が沢山出てきた。
「なにこれかわいい」
「でしょう~。もうちょっと下の方いってみてよ」
 何故かそのぬいぐるみを頭の上に乗せた舞にそう言われるので、ページを下に移動していくと、ぬいぐるみと同じ画像が出てきた。
「アニメのキャラ?」
「そうだよ~」
 アニメイトで買った地点でお察しの通りだった。でもこんなかわいいのだったら、普通にぬいぐるみとして出ててもおかしくないのになぁ。あたしだったらすぐに買っちゃうんだけど。もしかしたらこのアンゴラウサギっていう品種自体がマイナーなのかもしれない。もったいないなー。
「ね、かおりちゃん、珈琲飲み干したから占ってよ」
「はやっ」
 まあミルク2つも入れれば簡単に飲めちゃうか。冷めちゃう直前まで粘るあたしがちょっと飲むのが遅いだけかも。
「じゃあ、左手でカップをひっくり返してソーサーの上に置いて」
「こう?」
 ぎこちない手つきで言われた通りにしてくれた。
「んじゃ、7つ数えて」
 まるでお風呂に浸かる子供みたいに数字を数えだす。いつもの舞の間延びした言い方だとなんだかかわいい。あたしからすれば好奇心が旺盛な子供みたいなものだけど。
「ご~お、ろ~く、な~な」
「んじゃカップを戻して見せて」
 カップを除くと舞から向かって右――舞台でいう上手(かみて)にあたる――よりに珈琲のあとが残っている。
「ん~と、焦るとちょっと良くないことが怒るかもしれないので注意深くしたほうがいいって出てるわね」
「ふむむ」
「あとこれ、何かの模様に見える?」
 これは占う人がどう見るかで変わる結果なんだけど、
「駆逐艦?」
「なにそれ」
「あ、えっと、海上自衛隊の護衛艦かな。ほら、横須賀でよく見るむらさめ型」
「なおさら分からないんだけど」
 そいえば舞が何故か軍艦とか日本刀にはまってるんだけど……なんでだろう。そのせいでこんなよく分からない比喩表現されてどう返していいやら。
「とにかく船ね。冒険したい気分だったり、新たな世界を目指したいって気分じゃない?」
「うん、あたってるー」
 とは言ったけど、舞はいっつもあれやこれや新しいことに興味持って、あれこれ始めたり、色んな所に行ったりしてるから今に始まったことじゃない気がする。
「すごいよかおりちゃん。これから毎日私を占ってよ」
「いや、これくらい調べればだれでも出来るって。あたしのだってインターネットで調べた程度の知識でやってるんだし」
「えー、自分でやったって意味ないよー。かおりちゃんが占ってくれるから意味があるんだよ」
 確かに自分でやったって味気ないのはあたしも一緒だけど、
「それじゃ舞は毎日コーヒー飲む?」
「かおりちゃんが占ってくれるなら喜んで」
 あー、この顔は本当に飲みそうだ。珈琲が苦いなら砂糖を足せばいいじゃない、って思ってる。こういうエネルギーはどこから来てるのやら。


 という約束して次の日。家で珈琲を飲み干して待ってるという約束をして舞の家にやってくると、
「寝てる」
 舞のお母さんに言われて部屋にやってくると珈琲や朝ごはんどころか、朝起きてもない舞の姿。パソコンからはゲームのキャラが舞を呼んでるんだけど、それに答えもしない。寝る直前まで何かをしてたのだろう。でも椅子には昨日買ったぬいぐるみが鎮座している。おまけに『副司令』という謎の札。
 ベッドで寝ている舞の横に座ってその寝顔を覗く。メガネを掛けてない舞を見たことがあるのは家族以外ではあたしだけ。修学旅行のときに別の子と同じ部屋になった時は、最後まで起きてて一番最初に起きる。お風呂は掛けたまま入る(曰く、頑丈なのを使ってるらしい)し、それは徹底している。
 だからこの顔を見れるのはあたしだけ。
 っと、こうしてると演劇部の朝練に遅刻するわけで、そろそろ起こさないと。
「ほら、舞。あたしに珈琲占いをしてもらう約束はどうしたの?」
「かおりちゃ~ん、おねえちゃんって呼んで~」
「同い年をおねえちゃんなんて呼ぶか!」
「じゃあ、ちゅーして」
 いきなり何を言い出すかと思えば……寝言は寝てから言えと言いたいけど、実際寝てるからそんなツッコミもできないし、でもこれ絶対に起きてる気がする。おねだりするときのあの顔をしている。舞がおねだり上手で、あたしはよくこれに負ける。
 そして今日も――こうして舞のお願いを簡単に叶えてしまう。安いなーあたし。いやでも舞だけ。舞はあたしのお願いもたまには聞いてくれるしその投資、そう情けは人のためならずってやつ。そういうこととにしないと、こう、朝からこんなことしてる自分が恥ずかしくってたまらない。似たようなことをして遅刻をしたさおりとあさみとは違うんだから。
「……これでいい?」
「えへへ、珈琲の味」
「カフェラテよ」
 満面の笑みの舞へあたしはメガネを渡す。



あとがき

これ以上語るまい・・・。
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