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ラブライブSS「のぞえり湘南小旅行」

前回から間があいちゃいましたがまたもやのぞえりSSです。
のぞえりの中の人ことナンジョルノとくっすんがこれと同じことを早くやってくれることを心よりお待ちしております。


前回ののぞえり!
ウチの提案で江ノ島まで日帰り旅行に来たウチとエリち。海を見たり富士山見たりで大はしゃぎのエリちがかわえかった。二人で写真撮ったりもしたし、二人で愛を誓ったりもして幸せやった~。


 江ノ島をあとにしたウチらが次に向かったのは鎌倉の大仏様。長谷駅を降りて歩いて十分強って観光案内にあるからまずはそこへ向かうことに。
 もっと湘南を歩き回るなら一日乗車券を買うってことも考えたけど、エリちと一緒なのにウチの回りたいところばっかりやと飽きてまうかなあと思って要所を絞った。
「そんな気を使わなくてもいいのに」
 と今度は江ノ電の一番前の車両の一番前の席をとったエリちが言う。車掌さんの後ろから見ると面白いからな。
「明日も学校や練習があるし、明日寝坊とか筋肉痛とかしたら海未ちゃんに怒られてまうやろ」
「そんなに行きたいところ多いの?」
「まず、横須賀線で通っただけの北鎌倉やろ。ここは円覚寺や建長寺のような素敵なお寺が沢山あるんや。ウチ的には浄智寺がおすすめやな。笑顔が素敵な布袋尊様がおって、お腹をなでなですると元気がもらえるって言われてるんや。今から向かう長谷駅と極楽寺駅の間に御霊神社って雰囲気が素敵って評判の神社があったり、成就院って紫陽花の季節にはぜひ行きたいお寺もあったり、そんなふうに回ってたら一日足りないやろ」
「そ、そうね……」
 アイドルの話になった花陽ちゃんみたいに喋ってもうた。意外とおしゃべりって思われたかもな。話をしている間に電車は進んでいてまた車も通る道を路面電車みたいに走りだす。
「せやから、今度はもっと贅沢してふたりで一泊で計画立てような?」
「そ、そうね……一泊しましょう」
 お泊りに誘うとエリちが急に外を見てしまう。でも耳が赤くなってるのは隠せてないで。
『ふたりで』ってところをちょっと強調して言ってみた。合宿みたいにみんなとじゃなく、エリちとだけ。そしたら予想通りの反応してくれた。
 電車は腰越駅へ。ウチらの乗ってる車両はドアが開かないらしい。珍しいけど、そんなことを気にする余裕は今のエリちにはないみたいや。電車がまた動き出すと、またエリちをからかういいことを思いつく。
「穂乃果ちゃんたちは幼なじみだしよくお泊まりしとるって聞くでー」
「そ、そうね……あの子達は仲いいから」
 穂乃果ちゃんは家の人と喧嘩するとよく海未ちゃんの家に行くらしい。たまに海未ちゃんにも怒られるからそしたら今度はことりちゃんのお家らしい。
「凛ちゃんと花陽ちゃんもよく一緒のお布団で寝てるって聞くでー」
「そ、そうね……あの子達も仲いいから」
 凛ちゃんが猫みたいにやってくるのが簡単に想像できるなあ。
「にこっちが前に真姫ちゃんのお家にお泊りしたってみんなに言いふらして、真姫ちゃんに怒られてたで」
「そ、そうね……あの二人も夏の合宿以降すごく仲良さそうにしてたし」
 あの二人はいつの間にか付き合ってるみたいやし、見ていて楽しいわ~。まあ、μ'sベストカップルの座は譲らんけどな。
 そんなウチの恋人はというとまだ外の景色を見て気をそらそうとしとる。
「ウチらも、お泊りしたいなぁ」
「そ、そうね……」
 もうひと押しや、と思った時やった。
 電車がカーブに差し掛かってぱぁっと海が見えた。さっきまで建物の間を抜けていたのに、急に現れた海にウチは次に言おうとしていた言葉を忘れる。
 その海原の色はエリちの瞳のような色をしていて、みんなで見た時と違う輝きをしていた。
「綺麗ね」
 ウチと同じように、その景色に感動したのかエリちがつぶやく。
「そうやね」
 窓の外には小動岬、その向こうに江ノ島。電車はまもなく鎌倉高校前駅。


 長谷駅で江ノ電を降りて、山の方へ歩く。同じように多くの人がそっちへ歩いているし、付いて行けば迷ったりはしないやろと思う。
 狭い道をウチが先導して歩く。左手はエリちの左手とつないではぐれないように。エリちはにこっちや花陽ちゃんみたいに人混みにもまれてはぐれたり、穂乃果ちゃんや凛ちゃんみたいにふらふら~っとどっかにいったりはしないけど、繋ぎたいからそうしたんや。
 右手を見ればいろいろなお店が並ぶ。おみやげ屋さんや小物、アクセサリーのお店、お菓子などなど、油断するとそっちに吸い込まれそうな感じがする。こういうところも鎌倉らしい。
「希、見て! ハラショー」
 そんなお店の中でエリちが何かを見つけたようだ。エリちが指差す方を見ると『ハラショー』と縦に書いてあるTシャツ。それを着ているエリちを想像してしまい、いつぞやの真姫ちゃんのサンタさん事件の時のにこっちみたいな表情になるのを必死に堪える。
 もちろんそのときの真姫ちゃんのと同じようにエリちも純粋な子供みたいな表情をしていて、あの時のにこっちの気持ちがよく分かる。
「エリち、あれほしいの?」
「わ、私じゃなくてアリチカがほしそうだなぁって思っただけだから。だから似合うだろうし買って帰ったら喜ぶかなぁって」
 急に慌てて訂正するように言う。別にウチの前くらい『かしこいかわいいエリーチカ』でいなくてもええのに。
 シャツの文字は他にも『もう何も怖くない』『バーニングラアアアアアアヴ』とか、『江ノ島は俺達が回す!』とかいろいろあるけど『だが断る』は三点リードとか!マークとかは入らないんが正しいんやで。
「ちょっとするわね」
 小声でエリちが気にしたのは値段。観光地やからなぁ。
「また今度にしょうか。今度はお泊りで来るんだし」
「そ、その話まだ続いてたの?」
 エリちの問に答えずグイグイと引っ張っていく。名残惜しそうにお店を眺めるエリちもかわええなー。
「亜里沙ちゃんはこういうのがええんとちゃう?」
 信号でちょうど止まって見つけたのは、秋葉原に売ってそうな可愛い女の子の絵がついた缶おでんや缶カレーの自動販売機。古都鎌倉にこんなものがあるのは珍しい。
「遠慮しておくわ。アリチカが今でもジュースと間違えて買ってくるのよ。雪穂も困ってたわ」
 そいえばエリちの家の冷蔵庫はそういうのがよく入っとったなぁ。あれは亜里沙ちゃんが買ってくるんやな。うちの考案中のμ's9不思議が解決してもうたわ。
 信号が青になって再び真っ直ぐ進む。またさっきみたいなおしゃれなお店に目移りしつつウチがエリちを引っ張ったり、ウチがふらふら~っとお店に寄りそうなときはエリちが止めてくれたり。
「そいえば、穂乃果たちが買ってきた変な犬……でいいのかしら、置物気に入ってたわね。ああいうの好きなの?」
「シーザーやな。沖縄の伝説の獣や。沖縄の民家には魔除けとしてよく像が置かれてるんよ。だから穂乃果ちゃんにもらったのは玄関においたんやで」
 なんかエリちに変なもの好きな子に思われとるのかなぁ。ことりちゃんほどやないけど、かわいいぬいぐるみとか部屋においてあったり、ぶたさんポットみたいに日用品もかわいいのにしてるんよ。
 そうこうしていると高徳院に着いた。ここからでもなんとなくスピリチュアルなエネルギーを感じるあたり、読んで字のごとくものすごく『徳』が『高い』寺院なのがわかる。
 そのエネルギーに誘われたのか様々な人が行き交っている。英語を喋ってる人、サイクルウェアを着てる人、学生さん、カップル、大仏様は大きいし国宝に指定されてるしそういう有名税っていうんもそうやけど、多分いちばんはその『徳』が人を惹きつけるんだとウチは思う。
 拝観料を払って、手を清める。ウチはこういうところによく来るからええけど、エリちはすごいぎこちない。ああ、ちゃうで、1回で汲んだ水だけで全部の動作をするんや。ウチも慣れるまでこんなかんじやったしええやろ。
 青空の下、石畳を歩いて行くとこんなに遠くてもその雄姿がわかる大きな大仏様。山をバックに堂々と座っておられる。
「ハラショー」
 海外の方はもちろん、日本人でもやっぱり直に見ると感動するはず。教科書ではわからない大きさ。
「これだけ大きいと中には入れそうね……」
「入れるで」
「えっ!?」
 エリちとのデートってことでウチも張り切っとったのかな、すごい今日回る予定のスポットのことを調べとった。ここだったらエリちも興味持ってくれるかなとか、エリちはどんな反応するかなとか、まるで遠足前の小学生や。おかげでちょっち寝不足かもしれへん。
 でも今のようなリアクションをしてくれたり、ハラショーっていっぱい言ってくれるエリちを見たら嬉しくって、ウチもついはしゃいじゃうんやな。
 大仏様の前まで来て二人で見上げる。奈良の大仏様と違って、こちらの大仏様は屋外にある。ホントは同じように建物の中だったんやけど、昔の津波で建物が流されて大仏様だけが残ったという歴史がある。
 だからにこっちの笑顔のような青空の下、穂乃果ちゃんのような大きな太陽に照らされながら鎌倉を見守る大仏様はまた違った見え方がする。
 エリちはそんな大仏様をただただ見上げていた。口も空いちゃってちっとも賢くない表情。そんなエリちもウチは大好きで、こっそりと離れてエリちの斜め後ろからカメラを構える。題して『スピリチュアルなインパクトを受ける少女』なかなかいい感じに撮れた気がする。
「もう、希~」
 シャッター音でようやく気がついた。
「エリちはきれいやからな、絵になるんや。ほら、名前にも入ってるやろ」
「も~、希もこっそり撮っちゃうわよ」
「ええで~、ウチにそんな隙があればな~」
 ウチはにこっちより周りの気配や視線に敏感やで。人の持ってる『気』っていうのかな、そういうスピリチュアルなものを感じるからなー。全盛期のウチは妖精さんだって見えたんやで。
「ほらほら、大仏様の中に入るんやろ。そこの列やで」
 しばらく根に持ちそうなエリちの表情をよそに、ウチも大仏様の中に入ってみたくて仕方がなかった。はしゃいでるエリちのこと笑えんな。
 列に並んで拝観料20円をおじさんに渡すと、よいよその中へ。まず思ったことは、
「「暖かい」」
 エリちとハモってもうたわ。
 今日は涼しい日で海沿いは心地いい風が吹いてた。時間的にそろそろおひさまも沈みそうで肌寒くなるかもと思っとった。その温度差があるからか、まるで暖房でもあるみたいな暖かさ。大仏様って包容力もあるんやな。
「こんなのが今から何百年も前に作られてたなんて、学校の授業で知ってはいたけど実際見て改めて驚きだわ」
 壁にはられた解説を読みながらエリちはつぶやく。
「こんな立派なものを作れる人の力ってやっぱりすごいんなや」
 やろうと思えばなんでもできる、夕立を止めたように見えた穂乃果ちゃんのことを思い出す。いろんな人達の思い、信仰、祈りが大仏様やお寺、神社を作りその力が人々を助ける。
 だからウチはスピリチュアルなものが大好きなんや。


 長谷駅に戻ってきて、今日最後のスポット『稲村ヶ崎公園』へ向かう。電車は藤沢方面に乗って少し戻る。
 家の間や山道を江ノ電が走って、海が見える前の駅『稲村ヶ崎』でウチらは降りる。高そうなカメラを持った人たちも一緒に降りたのでもしかしたら同じものを目当てに来たのかもしれない。
 そんならこの人達についって行ったほうが楽ということで、エリちと手をつなぎながらゆっくりと歩く。しばらく住宅街を歩いて、坂道を降りると波の音が聞こえてきた。
 信号を渡ってこの海岸沿いから見える夕日を見てても満足できそうやったけど、その反対側にはその夕日を見るためにあるようなおあつらえ向きの公園がある。エリちと顔を合わせて笑うと波の音を聞きながら、夕日をバックに歩き出す。
 前に素直になれない真姫ちゃんと一緒に海沿いを歩いたのを思い出す。あの時と比べて真姫ちゃんもエリちもとても素直になった気がする。
 もしかしたら生命の源たる海から素敵な影響を受けてるのかもしれんな。
「はらしょー」
「もう~人のセリフとらないでー」
 エリちより先に言っちゃった。でも本当にそう言いたくなるほど素敵な景色が見える。
 左には相模湾、前には夕日・展望台までくっきりと見える江ノ島、そして富士山、右には明かりがつき始めた湘南の町並み。これをはらしょーと言わずしてなんと呼ぶ。
「でもさすがに疲れたわね」
「ずっと動いとったからなー」
「そこで休みながら夕日を眺めましょう」
 高台にベンチを見つけた。そこまではちょっと頑張って、ようやく腰を落ち着ける。普段の練習がなかったらもっと疲れとったかもな。
「綺麗ね」
「エリちもきれいや」
「からかわないの」
 からかったつもりはないんやけどな。ウチにとって絢瀬絵里はこの景色、それ以上に美しい存在なんや。思わず出ちゃった言葉やけど、こういうときのエリちは気がついてくれないんやな。
 でもずっと手をつないでてくれるのは、もしかすると通じてるのかもしれんな。
 そこからエリちとは日が沈み切るまでしゃべらないでずっとこの景色を見ていた。
 
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