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オリジナル百合SS「江ノ島スーパームーン」

乗り遅れたけどスーパームーンネタで、「湘南&鎌倉 リリー&サレナ」通称「リリサレ」シリーズです。
あまり江ノ島らしくないかもしれないネタになったかもしれませんね。

でも先日行ったときに江ノ島の上に月が見えたのが印象に強かったので、二人には片瀬海岸から見てもらいました。

簡単すぎるキャラ紹介。


 多趣味なメガネっこ。写真撮影、漫画の読み書き、読書(なんでも)、最近追加された麻雀好き設定、部活は演劇と放送をかねてるし、週3ぐらいでファミレスのバイトをしてる活動意欲にあふれてる女の子。
 
かおり
 世話焼きで舞のことが気になる――っていうか恋人――女の子。舞と同じ演劇部。
 舞と違ってそこまで活発ではないけどコーヒーが好きで喫茶店や缶コーヒーに詳しい。

 二人の設定はこれだけ。あとはその場その場で追加したり増えたりします。


「夜にネトゲもやらないで出かけるなんてどうしたの? 8時から予告緊急ミッションでしょ?」
「そうだよー。でも緊急ミッションはまた機会があるけど、この日は今日だけなんだよー」
 一眼レフと三脚を持って舞はあたしを家から連れ出した。腰越の江ノ電が通る道を歩く。
 龍口寺のあたりの電光掲示板が『電車注意』という文字を表示した。それに舞も気がついたのかカメラを構える。片膝を地面につけて、カメラマンのようなポーズ。カメラマンだけど。
 通りすぎる江ノ電をあたしは見送り、舞はシャッターを切る。三脚を使ってないのはなんでだろうと思っていると、
「じゃない! 江ノ電もいいけど、今日はこれを撮りに来たんじゃない!」
 と自分に言い聞かせるように叫ぶ舞。ということは今回は明確な目標があるらしい。最近は漠然とこうしたいああしたいみたいなことが多かったけど、多趣味でミーハーなところがある舞の行動ではめずらしいかもしれない。
「じゃあ三脚まで持ち出した今晩の目標は?」
「衣ちゃんがとてつもなく力を発揮する日なんだよ」
 ころもちゃんて誰よ。舞のことだからアニメとかゲームのキャラクターなんだろうけど。
「スーパームーンの日なんだよ」
「それもゲームかなんかの用語?」
「違うよー。地球と月の距離が一番短くなる日に満月になることをそう呼ぶんだよ」
 ってグーグル先生が言ってたと付け加える。
「なるほど、つまり月を撮りに行くんだね。それで海岸沿い、江ノ島付近までやってきたと」
「exactly(そのとおりでございます)」
「はいはい、あなたがやりこんでるのはPSO2でしょ」
「答える必要はないわ」
 お互い知ってるからね。


 龍口寺のあたりから左に曲がって住宅街を少し抜けると海が見える。雲ひとつない空は絶好の撮影日和といったところか。
 さすがに星は見えないけど、ぱっと目に留まるほどの大きな月。月が迫ってくるといえばムジュラの仮面とかそういうファンタジーな物を想像するけど、今回は落ちてこない。でもめったに見られないほどの大きな月。
 海岸沿いにつくや否や、舞は三脚をセッティングしてカメラを構える。あまり三脚を使ってるのを見たことはないけど手際がいい当たり使い込んでいる。さっきのJOJO3部的なやりとりじゃないけど、確実にやりこんでいる。
 あたしは階段に座って舞の様子を眺める。
 舞はこうなるとあたしのことが見えなくなる。普段一緒に歩きながら写真を撮ってるときは結構おしゃべりしながらなんだけど、一つの被写体や興味を見つけるとものすごい集中力を発揮する。
 波の音とシャッターを切る音が聞こえる。6月というシーズン手前の湘南の夜はまだまだ静かだ。
 あたしも写真を始めてみようかなと思うときはある。舞がそこまで熱中するものはあたしも興味がわくし、同じようにハマれるかもしれない。
 でも現状のあたしは、部活とコーヒーとゲームで手一杯だ。最近はネット通販で豆を買っているあたり他の趣味に使えるお金や時間はあまりなさそうだ。
 それでもケータイで撮るくらいならできるはず。ポケットからスマフォを取り出すと珍しくカメラモードを起動。適当に撮ってみようと思ったけど画面は真っ暗。夜は撮れないのかな。
「かおりちゃん、シーン設定を『夜間』にしてみて」
 ファインダーをのぞきながらもあたしに声をかける舞。
「次にかおりちゃんは『あたしの方見てないのにどうして分かったの?』という」
「あたしの方見てないのにどうして分かったの? ……ハッ」
 舞のジョセフのようなドヤ顔がスマフォの画像に映った。
「かおりちゃんのことは何でも知ってるんだよ」
 前にも同じようなことをいわれた気がする。でもジョセフの台詞先読みをやられたのは初めてだ。そもそも日常会話でできるものじゃないと思ってたのに。
「最近のスマフォは結構性能いいから、デジカメより綺麗に撮れるときあるんだよ。最初はスマフォのカメラでもいいからいろんな物を撮ってみるといいかもしれないよ」
 と後輩を見るような優しい笑顔であたしに言うと、再び目を月に向ける。
 ためしに月にスマフォを向けてみる。
「遠い」
 予想以上に映らない。やっぱり画面は真っ黒のまま。
 カメラを舞に向けるとこっちは映る。熱心にカメラの設定を調整しながら、レンズをのぞく姿はなんだかかっこいい。
 シャッターを切ったような音がした。昔ながらの音だけどこれは再現された電子音。
 あたしのケータイには一所懸命な舞の姿が写されていた。


 写真に満足したのか、三脚をたたんであたしの隣に舞は座る。撮れた写真はあとで確認するらしい。
 しゃべらず、ただただ波の音だけが聞こえる夜の片瀬海岸。時期の合わないお月見になんだか団子が欲しくなってしまう。
「かおりちゃんはやっぱり『花より団子』タイプなんだね」
「舞もでしょ。クーナのライブよりそのあとのダークファルスが本番だって」
「かおりちゃんだって、ライブの時にはPT募集かけてるじゃない」
「まあね~」
 あたしたちの何気ない会話も波がさらって、海へと還す。
 今は潮騒のリズムが聞こえるけど、来月になったら夜も騒がしくなってしまう。シーズンの湘南も嫌いじゃないけど、この心地いい音が聞こえなくなるのはちょっと残念ではある。
「月が、綺麗ですね」
 舞がそんなことをつぶやく。そんな当たり前のことをどうして今つぶやいたのか。夜風に吹かれて涼しそうな舞の表情からはそのこころは読み取れない。
 この言葉の意味をちょっと考えて連想されたのは夏目漱石だ。もしこの台詞がそれを意図して言われたものなら、これに対する答えはこうだ。
「死んでもいいわ」
 夏目漱石が日本語訳したと言われている『I love you』が『月が綺麗ですね』
だ。対し二葉亭四迷が訳した『I love you』があたしが言った言葉になる。ネットでは前者に対して後者で答えるのがベストらしい。真意は分からないけど。
「いいの?」
「当たり前でしょ」
 隣の舞を肩を寄せて頭を撫でる。この丸い顔も、眼鏡越しにいろいろな物を見る目も、いろんなところに出歩く足も、物を作る手も、あたしと重ねる唇もみんな好き。ミーハーなところもあっても、たまにあたしのこと放ってどっかに行っちゃったり何かしてたりするところも、舞の全てが愛しいと思う。決して口には出さないけど、舞がこうしてあたしに求愛してくるときは、行動でそれをお返しする。
 今日みたいにお返しの言葉があるときはしっかり返すけどね。
「えへへ、かおりちゃん愛してる」
 こうストレートに言われると返せないのがあたし。でも舞は素直にそういう言葉を言ってくる。それがちょっと羨ましい。
「かおりちゃん、今日は泊まって行っていい?」
「いいけど……明日月曜日だよ」
「家近いし」
「そうだけど」
「こんな日は夢の中に入る直前まで、愛する人と一緒にいたいから」
 とあたしの肩に体を預ける。



 このネタを一度百合でやりたかった。TARI TARIの来夏と紗羽で同じシチュと思ったけど、二人ともこういう台詞を言うのにしっくりこなかったのでボツに。

 スーパームーンですが、雨竜は実際に見ることはできませんでした。当日静岡は曇りで、藤沢のほうも曇りだったみたいなので、実際は見れませんでしたね。
 だからどれだけ大きかったのかも分からないので全部想像だったりします。

 そしてJOJOネタ。5部まで読んだので最近いろんなネタを使えるようになりました。
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