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昼夜の楽園、思荷荘 第4回ぐらい

「主に庭師が現代入り」のてンさんとやってるリレー小説企画「昼夜の楽園、思荷荘 ~another east world~」
 前回の話はこちらへ
 むちゃくちゃ時間かけすぎました。決して忘れてたわけじゃないのですが、とにかく進まなかったです、はい。ホントは「ヨウカイノウタ」ができたらやる予定でしたが1月リアルにいろいろありすぎたのです・・・。

 今月から月に一つは作品上げていこうと思ってまして、3月はこれでギリギリ達成ですね。4月は創想話に投稿する予定です。こちらも久々になります。

 というわけでどうぞ。
簡単な概要
 東方キャラを現代風にアレンジしたアナザー東方ワールドみたいな企画。パラレルってやつです、はい。
 設定や名前を現代風にアレンジしてるものの、基本的にはいつもの二次創作よりな東方キャラの皆様。そういうのが分かってれば割と読めるはず。

簡単にキャラ紹介
霊夢:霊媒師の家系の人間、貧乏、バイト収入少。
妖夢:この話の設定では霊夢の双子の妹。怖がり、やっぱり幽霊が駄目。
山田さん:思荷荘の管理人さん。几帳面、真面目。
小町:今回のメインと語り担当。山田さんの親友。ボケ担当。
悠子さん:最強のボケ担当。常に何かを食べてる。
藍(あい)さん:親バカ。夫は未設定。
みかんちゃん:思荷荘の可愛い女の子。親よりできてる?



「昼夜の楽園、思荷荘 ~another east world~」

「あなた、幽霊の存在信じる……なんて聞いても目の前でみんなで見たんですもの、信じざるえないわね」
 講義のない気分のいい平日のお昼過ぎ。のんびりとバルコニーでお茶を飲みつつ、和食亭『北白河』の話をした。すると山田さんはそんなことをあたいに聞く。山田さんの白黒つかないグレーな発言はレアかもしれない。
 靴下騒動以来、幽霊とかかわる思荷荘の住民――正確に言うとあたいは住民じゃないけどほとんどカウントされてるも当然。講義とか以外のときはほとんどここにいるしね――は幽霊関係の騒動に巻き込まれている。さすがにあたいも山田さんも気になる。
「北白河では見てないですけどね。見えてたのはみかんちゃんと――」
「悠子さんね」
 そう。悠子さんには見えていたような感じがした。いや、実際見えていただろう。
 ここの住民で霊感が強いのは霊夢と妖夢の姉妹、そして靴下騒動でもかかわりの強かったみかんちゃん。あの姉妹は家系とか職業って言うと納得できるし、みかんちゃんも子供だからという理由で納得しようと思えばできる。
 じゃあ、悠子さんは?
「それは私も疑問ね。あの人は分からないことだらけだわ」
 と緑茶を上品に飲む山田さん。
 まあ、悠子さんがここにいる理由からしてすでに分からないからなぁ……。



 桜の木の下には死体が埋まっている、という出だしで始まる小説があるらしい。あたいはその小説を知らないし、そんなことはどうでもいいと思うぐらいに季節は春だった。
 桜の花びらが舞い踊り、冬の寒さはいつの間にか感じなくなっていた。
 春を告げる妖精『春告精』というまんまな名前の妖精が通り過ぎると春が来る、という子供じみたおとぎ話をあたいは信じない。妖精なんてこの世にはいないのが分かってるから。
 ついでに目の前に人が倒れてることも信じない。そんな小説みたいな展開が世の中にはないことが分かってるから。
 なんてアホなこと考えてる場合じゃない。あいたは駆け寄って声をかける。
「大丈夫ですかっ。どうしました」
 う~ん、とちょっとのんびりとした声を出す倒れていたピンク色の着物の女性。年は多分あたいより上。思荷荘にいる藍さんぐらいだろうか。白い肌がうらやましいほどにきれい。でも、これって死んでるから白いんじゃないんだよね。
「あ……」
「よかった、気がついた。どうしました? 持病ですか? 救急車必要ですか?」
「おなか……」
「おなかが痛いんですね。すぐに救急車を」
 あたいはケータイを取り出してすぐに電話のボタンを押す。
「おなかすいた」
「分かりました、それじゃ出前を……え?」
 ケータイには友達のやってる和食レストラン『永遠亭』の番号が表示されていた。



「ご馳走様」
 ご飯のお代わり7杯、味噌汁4杯、納豆3パック、ラーメン3人前、お茶たくさん。
 それらのものがその細そうな体のどこに入ったのか。まずそういうくだらない疑問が頭によぎる。
 山田さんはあっけにとられている。多分それと同時に今日の夕飯どうしようか、そう思ってるだろう。そりゃそうだ。着物の女の人は、あたいを含めた住民全員の食事の量を一人で平らげたのだ。
「おいしかったですわ。家庭の味ってこういう味がするんですね」
「お、お粗末さまです」
 幽霊みたいな白い肌のおねーさんはおしとやかに合唱。美人の秘訣はよく食べることなのだろうか。にしたって食べすぎだ。美人の秘訣なら真似したいけどこれを真似したらふとましくなる、っていうか真似できない。
 食後は結構眠くなる。あたいもよくそれで昼寝をしてそのまま午後の講義をすっぽかしたりする。それと同じなのか、着物の人はボケーっと右斜め上を指をくわえながら見つめている。眠いのか、はたまた幽霊でも見えるのか。
「おいしいご飯をいただいたので何かお礼ができないかなぁ、と思いまして」
 あたいの考えてたことを察したかのように言う。そんなことはない、と思うけど。
「お礼ですか? 別にかまわないのですが……」
「いえいえ、何かしたいのです」
 山田さんが遠慮するけど、着物の人はどうしてもなにかしたいようだ。
「じゃあ、なんか特技とかあります? 炊事洗濯お掃除、あたいの耳かきから、山田さんの家の仕事の手伝い、霊夢ちゃんの御祓いのアルバイト手伝い、手伝えそうなことはたくさんありますよ」
「こら、小町」
「あ、幽霊さんとしゃべれますよ」
「「は?」」

「そいえばそんなこと言ったわね」
「今思うとフラグですよね。まさかここでつながるとは」
 それでも悠子さんの正体はわからない。っていうか思荷荘の前に倒れてた理由がこの回想の中に出てこないし。山田さんと考え直したところで、答えどころかヒントも見つからない。
 山田さんがお茶を飲み干すと、
「それで他に何ができるって言いましたっけ?」
 えっとたしか……。

「この部屋に隠してあるお菓子の場所が分かりますわ」
 ダウジングでもするのだろうか、それとも匂いだろうか。この前の特技ほどじゃないけど、信じがたい。
「えっと、食器棚の上から2番目、左の奥のほうにドラ焼きが置いてあります。しかも結構高級品ね。ひとつしかないってことは――」
「あーっ、分かりました分かりました!」
 山田さんがあわてて着物の人の口を押さえる。
「ごほん……、他にないのですか?」
 ごまかした。山田さんの意外な一面を見た気がする。
「そうですねぇ……、私をここにおいていただくというのはどうでしょう?」
 は? それはお礼になってないんじゃ……。
「私、座敷わらしみたいって昔から言われるんですよ。ですのでここの荘に置いていただければ、みんなにいいことが起こるかなぁって」
 あたいと山田さんは顔を合わせる。山田さんとあたいの顔には『この人はなにをいってるんだろう?』と書かれている。
 それもそうでしょう。自分から『私は座敷わらしです』って言う人がいるとは思わない。そもそも座敷わらしは妖怪とかそういう類じゃなかったっけ? 自分からそれを名乗るなんてこの人はあたいの思ってる以上に変わり者なんだと思う。
「まあ、空きはありますし入居者が増えるのはうれしいのですが、いいのですか?」
「はい」
 と語尾に音符マークがつきそうな返事をされた。山田さんが困った顔をしてあたいを見るとあたいは「いいんじゃないっすか」という顔をしてあげる。


「それであっさりと入居を決めたんですよね」
「ええ。書類を見ても特におかしなところはないですし、性格と行動以外は普通でしたね」
 それも慣れました、と山田さんは付け加える。あたいももう慣れた。
「で、実際にいいことが起こったんですよね」
「そうね、小町が大学に行くようになったわ」
「そうでしたっけ?」
 うなずいてお茶をすする山田さん。
「週に3回だったのが5回になったわ。サボりの確率も約30%下がりました」


「500円拾ったぁぁぁぁぁぁぁ!」
 と叫んで帰ってきた霊夢ちゃん。それネコババじゃ……。
「いいのいいの。ああ、これで今月生きていける」
 いつも思うけどどれだけこの子は貧乏なんだろう。双子の姉妹の妖夢ちゃんは普通の生活をしてそうなのに……。仕送りのお金が違うのか、いやそんなことはないでしょう。
「あれ、お客さん?」
 ようやく悠子さん――書類を書いてるときに自己紹介された――に気がついた。悠子さんは立って姿勢を正し、
「こんにちは、今日からここでお世話になる悠子と申します」
 さっきまでのマイペースな発言の数々が嘘のような丁寧な挨拶。
「あ、ああはい。霊夢です、よろしくおねがいします」
 霊夢ちゃんもそれなりに正して挨拶。でもさっきの発言の後じゃねぇ……。
「ああ、博麗の神様、仏様、聖様。八咫烏様、ありがとうございます」
 よく分からない人たちに感謝しながら部屋に戻っていく霊夢ちゃん。御祓いとかも宗派とかあると思うけどあの子はなんなんだろう。
「ただいま戻りました、あらお客様ですか」
 次に戻ってきたのは藍さん。こちらはいつもどおりだ。さっきと同じような流れで二人が挨拶をする。
「ところで山田さん、新聞ってあります?」
「ええ、文々丸と犬走を取ってますよ。どっちです?」
「文々丸で」
 と新聞を受け取る藍さん。
 文々丸新聞はまあ普通の新聞。多少芸能に偏ってる感はするけど、編集の趣味だろうか。犬走は経済新聞。なんでそういう名前がついてるのかは知らないけどね。
 藍さんがぱらぱらとめくりだしてみてるのは記事じゃなくて何かの番号。
「宝くじをちょっと買ってみたの。5枚だけ」
 藍さんがそういうのを買うなんて珍しい。あまり運試しとかしない人だと思ってたし、結構理屈くさいところもある。
 藍さんは宝くじと新聞を何度も見比べている。当たったの?
「みかんに選ばせた1枚、当たった……10万円」
 藍さんがつぶやくとすごい足音が聞こえてきた。さっき500円拾った子だろう。
「10万円ですってぇぇぇぇぇぇぇ!?」
 霊夢ちゃんがやってきた。恐ろしい地獄耳だ。そのまま藍さんに詰め寄ってあーだこーだ言っている。普段は普通の子なのに、お金が絡むと性格変わるなぁ……。
 にしても。あたいはちらりと優雅にお茶を味わう悠子さんを見て思う。
 悠子さんが入居を決めて数時間。立て続けにいいことが起こった。果たして偶然なんだろうか。それとも。


「他にも起こったこととして、みかんちゃんの絵がコンクールで入賞した、妖夢ちゃんが一人で夜トイレに行けるようになった、私の入れたお茶に茶柱が立つようになったなど……」
 そんな山田さんの飲むお茶には茶柱が立っている。すげぇ……。
「やっぱり悠子さんのおかげなんですかね?」
「私としてはそういう非科学的なことを信じたくはないですが、そういわざる得ないですね。悠子さんの謎は深まるばかりです」
 他人にいいことをもたらし、霊感があって、美人で、食欲旺盛すぎる悠子さん。
 この荘の住人として今は自然にあたいの隣にいるけど、分からないことは多い。
 ……隣?
「そうねぇ……謎は深まるばかりだわ。ところでこのお団子おいしいわね、どこのデパートで買ったのかしら?」
「「はぅわっ!」」
 幽霊でも見たようなみょんな声を出してあたいと山田さんは驚いた。いや、気配がなかったし、ホントに幽霊みたいだった。椅子に座る音もしなかったし、どういうことなの?
「私がここに来てお金が入るようになったでしょう?」
「ええ……ですが」
「ですが?」
 山田さんがすっごいため息をついて、それでもため息混じりに、
「プラスマイナスゼロです。あなたの食費が多すぎます」
 そう、この人は住人全員分の食事を一人で平らげるのだ。つまり食費が倍プッシュ。
「あらあら」
 金銭面ではなにも変わらない思荷荘だった。



 あとがき
 ネタが浮かばないと相談したら「悠子さんの過去をやりませう」ということになったので考えてみました。出生の秘密は結局出さないわけですが。まあ、予想はできるでしょう。
 次は誰をフィーチャーしようかなぁ・・・。
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